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エベレスト街道トレッキング 高山病対策

エベレスト地方トレッキングの核心部

高山病(AMS=Acute Mountain Sickness)

エベレストベースキャンプトレイル、ゴーキョトレイルともに距離的にそれほど長くは無く(EBCで片道65km程度)、トレイルは現地の人たちの生活道でもあるので、日本アルプスの登山道などに比べると平坦で幅も広く、格段に歩きやすいです。

また、道中には適当な間隔で村があり、村には商店やロッジが充実しているため、大量の食糧やテントなど重い荷物を持って歩く必要もありません。
基本的に3食ともロッジで食べ、夜はロッジに泊まりながらトレッキングを続けるスタイルです。

(トレッキング時の持ち物はこちらの記事にまとめています。)

そのため、エベレスト地方でトレッキングを行うにあたっての最大の難関は、標高の高さからくる高山病であり、いかに高度順応するかが鍵となります。
うまく順応できればトレイルを歩ききることはそれほど難しいことではないと思います。

事実、最終目的地のカラパタール(5545m)やゴーキョリ(5360m)などに辿り着けずにリタイアするトレッカーのほとんどは、高度にうまく順応できなかった人たちです。

予防・対処方法

高地に対する耐性は人によって異なりますが、一般に標高2500mくらいを越えると、高山病の症状が出始めると言われています。

エベレスト地方に飛行機で入る場合、標高1400mのカトマンズから標高2800mのルクラまでわずか30分ほどで上がることになるため、いつ症状がでてもおかしくありません。

とにかくゆっくり標高を上げる

1日に上げる標高(昨日寝た場所と今日寝る場所の標高差)は300M程度にとどめておき、それを超えて移動せざるを得ない場合は、翌日は休息日としましょう。

また、1日の終わりの宿泊場所は、できるだけその日の行程の中で到達した最高標高よりも低い場所に設定しましょう。

初日、カトマンズからルクラに飛行機で到着した場合も、いきなり歩き出すのはやめましょう。
ルクラには店がたくさんありますので、お茶などをして一呼吸おいてから出発するのが良いと思います。

疲れないように歩き、水分や栄養を十分とって健康的に過ごす

疲労は高山病の一因となるため、体に負担のかからないようにゆっくりと歩きましょう。
歩きながら大きく深呼吸をし続けることも大切です。深呼吸をし続けることができるくらいのスピードで歩く必要があります。
特に体力に自信のある人ほど、はやる気持ちを抑えてゆっくり進む意識が大事です。

また高地は乾燥が激しいため、トレッキング中は飲みすぎかと思うくらい水分をとり(1日最低3L以上)、体内を乾燥させないようにしましょう。そして3食しっかり栄養のある食事をとることも重要です。

ちなみに水分補給については特に大切で、現地で出会ったエベレスト登頂経験もあるガイドには、「ダイアモックスより水をたくさん飲むほうが効果がある。おしっこが透明になるまで水分を取れ」と言われました。

実際それくらい水分をとり、夜中に何回もトイレに起きるようになってから、順応が進んで体が楽になりました。

症状がでてきたら、それを素直に受け入れて休憩する。

高山病の主な症状としては頭痛、めまい、息切れ、吐き気、食欲不振、顔・手足のむくみなどがあげられますが、そのような症状が出てきたらそれ以上は進まず、症状が収まるまで休息をとりましょう。

特に多人数のガイドツアーなどでは、せっかくネパールまで来たのに自分だけ脱落することが嫌で、症状を隠したり、大したことが無いと自分に言い聞かせたりして、死を含む重篤な症状になってしまう人も少なくないという話を聞きました。

休んでも症状が収まらない、もしくは悪化する場合はすぐ標高を下げる。

このような場合は昼夜関係なく、直ちに標高を下げる必要があります。
具体的には、症状を初めて感じた日のさらに前日の宿泊地まで下るのが望ましいと言われています。

なお、夜間で下山が不安な場合や、症状が重い場合は、ロッジでポーターを頼むこともできますので、躊躇せず一刻も早く標高を下げることが大切です。

ダイアモックス(アセトゾラミド)

高山病の予防・もしくは症状の緩和に有用なのがアセトゾラミド(有名な「ダイアモックス」というのは商品名)です。

予防には125mgを12時間ごとに服用し、治療にはその倍の250mgを12時間ごとに服用します。
通常アセトゾラミドは1錠250mgですので、125mgは半錠ということになります。

予防として飲み始める標高は3000m位にを目安にすれば良いといわれています。
また、治療の場合は通常の頭痛薬と併用しても問題ないようです。

ただし、予防薬としても治療薬としても万能ではなく、必ず高山病にかからなかったり、症状が緩和するというものではありません。

なお日本では、ダイアモックスは高山病薬としては保険適用を受けていないため、自費扱いとなり非常に高額です(10錠で5,000円程)。

この点、ネパールの街中で薬を買うことに抵抗がなければ現地で圧倒的に安く買えます。
私たちが買ったタメルの薬局では10錠で100円程度!でした。

私たちはナムチェ(3440m)に着いた日から、半錠を朝と夜に飲んでいました。
4000m、5000mの節目で頭痛や倦怠感などそれなりに高山病の症状がでましたが、その都度しっかり休息をとりさえすれば順応できたのは、ダイアモックスのおかげもあるかもしれません。

なお、副作用として、トイレの回数が増えることも多いので、より多くの水分をとるように気を付ける必要があります。
また、唇や指先がしびれたりジンジンしたりする感覚がありましたが、一般的なことのようで、時間がたてば気にならなくなりました。

低酸素トレーニング

ネパール出発前、高所に体を少しでも慣らしておきたい方は、日本で低酸素トレーニングを受けていくのも良いかもしれません。

私たちも初ネパールトレッキングだったため、万全を期すため出発前に体験していきました。
詳細はこちらの記事をどうぞ。

エベレストト街道レッキングに出かける前に、低酸素トレーニングを受けてみた!
エベレストにトレッキングに行くにあたって一番心配したのが高山病…。 日本で高山病にはかかったことないし、大丈夫かなとも思ったけど、富士山より高い山は経験したことないし、その富士山の標高をはるかに超える5,550mまで行くわけなので申し込んでみました。

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