ジョンミューアトレイルを歩くためには、ルート策定はもちろん、パーミット取得、リサプライ、交通の手配など、多くの事前準備が必要になります。
また、実際トレイルを歩いているときにも、この先の地形の様子や水がどこで補給できそうかの確認、渡渉やキャンプする場所の決定など、いろいろな情報が必要になります。
この記事では、私たちが実際に使ってよかったガイドブックや地図などを紹介します。
ただ、残念なことに日本語で書かれた詳細なガイドブックや地図は存在しませんので、以下で紹介するものは英語の出版物が中心になります。
ガイドブック
英語版のみですが、Elizabeth Wenk 著のガイドブックを選べば間違いないと思います。
John Muir Trail: The Essential Guide to Hiking America’s Most Famous Trail
全長211マイルにわたるルートの詳細はもちろん、準備や計画策定のコツからおすすめサイドトリップにいたるまで、ジョンミューアトレイルを歩くにあたって必要なすべてのことが客観的に網羅されています。
トレイルで会った人たちもほとんど全員読んでいました。
なかでも、巻末付録の「キャンプ適地一覧表」が実際のトレッキングの際にとても役立ちました。
各場所の地図上での位置はもちろん、出発地点(ヨセミテまたはホイットニー)からの距離、標高、焚火の可否、場所についての一言コメントなどが、その日のキャンプ地を決める際に大変参考になりました。
私たちは印刷版とkindle版の両方を買いました。
家での計画時は印刷版をじっくりと読み、現地にはKindle版を持っていき軽量化しました。
トレッキング中は、寝る前に翌日のルートの様子やキャンプサイトの説明を読むのが日課でした。
ちなみに、Kindle版だとわからない英単語が出てきたときにすぐ辞書検索ができて便利です。
地図
地図はナショナルジオグラフィックのものがおすすめです。
縦25cm×横10cmくらいの大きさの冊子形式になっており、コンパクトで持ち運びやすく、全ページカラー印刷で、耐破・耐水加工もされています。
John Muir Trail Topographic Map Guide (National Geographic Trails Illustrated Map);
この地図の特筆すべき点は、各ページごとに平面地図とともに標高差と区間距離が一目でわかるガイドがついている点です。
このことにより、アップダウンを考慮したルート策定が可能になります。
もちろんキャンプ適地や、渡渉ポイントなどの情報も豊富に記載されています。
一方、JMTの地図として有名なTom Harrison Mapsも購入してみましたが、こちらはあまり使い勝手が良くありませんでした。
色使いもキレイで地図自体はかなり見やすいのですが、冊子形式にはなっておらず、A4程度の大きさの地図が14枚それぞれバラバラになっています。
実際に山で使うとなると、かさばるし、すぐにぐちゃぐちゃにしてしまいそうでした。
また、標高の概略図もついていませんでした。
Webサイト
Pacific Crest Trail Association の Webサイト(https://www.pcta.org/)が大変有用です。
バックパッキングに関する基本的な知識から、現在のトレイルコンディションまで、多種多様の最新の情報が公開されています。
私たちも2017年夏の懸念事項であった残雪の状況を、出発直前までここでチェックしていました。
JMTに関しても、独立してトピック化されています。
トップページ上部メニューの “Discover the Trail” のなかから、 “John Muir Trail“を選択すると、パーミット、交通、リサプライ等の各種情報にアクセスできます。
ジョン・ミューア・トレイルを行くーバックパッキング340キロ
言わずと知れた加藤則芳氏の本です。
内容は、同氏がスルーハイクをした際の記録と各種情報ガイドからなります。
JMTについて日本語で書かれた書籍はほぼ無いため大変貴重です。
日本人で行ってみようとする人は、ほとんど全員が手に取るのではないでしょうか。
ただし、旅の記録は1995年のものと非常に古く、現在では大きく変わってしまっている内容(例えば、熊対策の食糧保管方法や、パーミットや交通の情報など)がたくさん含まれていますので、その点は別の方法でアップデートする必要があります。
また、情報のみを記したガイドブックではなく、著者の主義主張も含んだ紀行文ですので、共感できないと読み切るのがなかなかつらいかもしれません。
ジョン・ミューア・トレイルを行く―バックパッキング340キロ
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