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ミルフォードトラック(後編)

ミルフォードトラック3日目の様子(中編)はこちら

ミルフォードトラック4日目(最終日)

2019年2月25日

昨日のハットトークでの注意通り、みんな早くから起き出して出発の準備をしています。昨夜レンジャーに質問していたお父さんも私たちの隣のベッドで寝ていた子供たちを早くに起こしに来ていました。
私たちもいつもより早めの7時に起床。
ボートの予約は15時で、6時間かかるとして9時前には出ないといけないので、今日は朝ごはんもさっさと済まします。

ダンプリンハットを出発してからは、なだらかな沢沿いの道をずっと下っていきます。
雲一つない快晴です。

途中崖が崩落してトレイルが埋まっている場所もありました。

森の中は木漏れ日が降り注いでいます。

トレイル沿いの山肌からは、無数の美しい沢が流れこんでいます。

大きなつり橋でArther Riverを渡ります。水は澄み切っていて神秘的な色をしていました。

真っ青な空と灰色の稜線の組み合わせは、世界共通の最高な夏山風景だと思います。

しばらく進むと、広く開けた場所にでてきました。天気が良すぎて暑いくらいです。

川幅もずいぶん広くなり、大きな中州が出てきたところで、キャンプしている家族がいました。
ゴムボートに荷物を積んで川を渡っているところでした。

ミルフォードトラック上にはスタートからの距離を示すポールが、一定間隔で立っています。
ニュージーランドの度量衡であるキロメートル表示はもちろん、その歴史的な背景を踏まえてマイル表示もされています。
ゴールのサンドフライポイントは53.5km地点。あと5kmくらいです。

エメラルドグリーン色をした川を何度も渡ります。
日本の山に負けないくらい、何度もミルフォードトラックでは水のきれいさに癒されました。

ゴール近くになると、道は平坦で幅広くなってきます。

なにやらミルフォードサウンドに似たような風景です。

建物が現れました。サンドフライポイントに着いたようです。

大きく立派な建物でした。もちろんここでもガイドウォークと個人ウォークは別々の部屋です。

有名なサンドフライポイントの看板まで無事に来ることができました。
ミルフォードトラックで3泊4日の間、一度も雨らしい雨が降らないなんて奇跡でした。

14時ちょうどに着いたので、一本早いボートに乗れるかと桟橋まで行ったものの、定刻より前に出発したようでした。
14時のボートは、マイケル夫妻や昨夜間に合うか心配していたオーストラリア人のお父さん家族など大多数が乗る予定だったので、彼らの姿がなかった=みんな無事に間に合ったんだと思うと、自分のことのように安心しました。

外はぽかぽか陽気で気持ちいいけどサンドフライがひどく、やむなくシェルターに避難し、15時のボートを待ちました。

マッキノンパスを登るときにしばらく一緒に歩いていたオーストラリア人夫婦が、この夏に日本へ旅行に来るというのでお勧めの場所やごはんなどを教えていると、先ほど川辺でキャンプをしていた家族もやってきました。

シアトルから休暇で来ているようで、家族4人でNZのいろいろなところをキャンプして回っているそうです。
家族でアメリカからNZまで旅行に来て、なにもないバックカントリーでキャンプして過ごすなんて、アメリカ人をはじめ西洋人のアウトドアへの愛はいつ聞いてもレベルが違うと感じます。
下の子供もまだ小学生低学年ぐらいだったけど、自分の意見を交えながらものすごくはきはきと話しをしていて感心させられっぱなしでした。

そうこうしているうちにボートが迎えにきました。
10人も乗ればいっぱいになりそうな小さなボートです。

15分くらいの船旅でミルフォードサウンドの桟橋に到着です。
超有名な観光地だけあって人がたくさん。
久々に文明社会に戻ってきたことを感じるこの瞬間が結構好きです。

ミルフォードトラックを歩いた感想

ミルフォードトラックは、その人気の高さ故、いろいろと制限が多いトレイルです。
そのため、予約を取ってみたものの、実際に出発するまでは心配なこともいくつかありました。

まず、素泊まりのハット代が一泊$140もして、かなり高額なことです。
3泊で1人$420もします。

この点は、トレイルの整備が行き届いている様子や、ハットの設備の充実ぶりを目の当たりにすると、それなりに納得することができました。
また、ニュージーランド人は外国人の半分という値段設定も、自国民により多く体験する機会を与えたいという趣旨を考えると、理解できるものです。
日本も、人が多すぎて日本人が敬遠しているような観光地には取り入れてもいいのかなと思いました。

次に、場所的に雨が多く天気はあまり期待できないことも気になっていました。
パタゴニアのパイネサーキットでひどい天気に泣かされたトラウマがよみがえります。

ただ、これは運なので行ってみないと何とも言えません。
私たちの4日間は1日も雨が降りませんでしたが、もし毎日雨で、ろくに景色も見えず、浸水したトレイルの中を膝まで水につかりながら歩くだけだったらひどい感想をもったかもしれません笑

最後は、行程が3泊4日で固定され、いったん歩き出すと一切の変更が認められない点です。

天気などを考慮して自由気ままにゆっくりと山で過ごしたい私たちの性にあわないかもと心配でした。毎日小屋泊でテント泊が一切認められていない点も、どうなのかなと思っていました。

この点、ニュージーランドのハットは日本の山小屋と違いかなり快適です。
ベッドルームは広々としており、ベッド自体も十分広く作ってあります。
そのため、快適さを求めてテント泊するという必要はありません。

そして、行程が固定されているおかげで、思わぬ良い体験ができました。
出発日が同じ40人が同じ道を歩き、同じハットに泊まって、同じキッチンでご飯を食べてハットトークに参加し、というように毎日過ごしているうちに、自然と皆顔見知りになっていき、連帯感のようなものが生まれてきます。みんながお互いに積極的に関わりあおうとして、一期一会を楽しんでいました。
このことは、今回のミルフォードトラックで初めて知った新たなトレッキングの楽しみ方でした。

いろいろと書きましたが、結論としては「行って良かった」の一言に尽きます。
風景やトレイルの良さはもちろん、4日間ずっと同じ行程を一緒に歩いた人たちとの思い出や、今まで知らなかったNZのトレッキング文化を知れたことなどが、一番の収穫です。

毎年受付開始後数分でいっぱいになってしまって予約を取るのは本当に大変ですが、ぜひ行って歩いてみることをお勧めします。

なお、予約方法など、個人旅行の手引きは一番下の項目にまとめていますので、良ければご覧ください。

ミルフォードサウンドでのクルーズ

ミルフォードサウンドに着くとあまりに天気が良かったので、せっかくの機会だしと、かの有名なクルーズツアーに参加することにしました。

ただ、この時すでに3時過ぎくらいで、大半の会社のツアーはもう終わってしまっていました。
そのため、あまり選択肢はなかったのですが、話を聞いて一番リーズナブルだったJUCYという会社の1時間半のツアーに参加することにしました。料金はひとり$65でした。

乗船カードをもらい、桟橋で受付を待ちます。

ミルフォードサウンド内をタスマニア海の出口までぐるりと一周するコースです。

船内はとてもキレイで、コーヒーや紅茶などの無料ドリンクも用意されていました。

途中、何カ所か滝の真下まで近づいてくれます。
結構水しぶきが来ますが、昨日のサザーランドの滝と比べるとそよ風のようです笑

アシカもいました。

クルージングが終わって戻ってきたころには、桟橋のあたりは人もまばらになっていました。

天気が良くて景色が素晴らしかったので離れ難かったけど、もう十二分に満喫したので、今夜泊まるミルフォードサウンドロッジに向かうことにします。

その前に、お腹が減ったので、カフェがあるというインフォメーションセンターに寄ってみたところ、すでにクローズしていました…

暖かい御飯とコーラを楽しみにしていたのに、また行動食のナッツを食べるしかないかーーとがっかりしていると、隣にコーヒースタンドがありました。
パイも売っているので迷わず注文します。
しかも、もう店じまいの用意をしていたようでパイを1個おまけしてくれました。ラッキー!

久々に下界の味を堪能したら俄然元気がでてきたので、もうひと踏ん張りしてロッジを目指します。
標識によると徒歩10分くらいのようです。
この日はとにかく天気が良く、ロッジまでの道のりの景色も最高でした。
ただ、気温も高いので汗だくになりながら歩きます。さっきしっかり食べておいて良かった。

軽く20分以上は歩いて、ミルフォードサウンドロッジに到着です。
途中からはずっと、どこが10分やねんと突っ込みながら歩いていました。暑かったーー。

中に入ると、ピカピカの豪華ホテルでした。

ただし、私たちが泊ったのはバックパッカードミトリーです。
1人$40、この場所にしてはリーズナブルです。11人部屋でした。

RVキャンプ場も併設されていて、キャンピングカーもたくさん停まっていました。

シャワーはもちろん、ランドリーも完備されています。
しかし、この日はお湯をためる量を間違えたとか何とかで、シャワーは冷水のみでした…
4日ぶりのシャワーを楽しみにしてたのに、さすがに寒すぎて足を洗うくらいしかできませんでした。

共用のキッチンや、談話室もキレイでした。

明日は、朝シャトルでピックアップに来てもらい、ルートバーントラックに出発する予定です。
引き続き天気が良いことを祈って寝ることにします。
部屋のみんながトレッキング帰りだったり明日の朝に出かける予定だったりで、ドミなのに早くから静かになって良く眠れそうです。

ミルフォードトラック個人旅行の手引きはこちら

ミルフォードトラック【情報・ガイド編】
ミルフォードトラックの概要から夏期間の人数制限、予約方法や必要不可欠な装備まで、ミルフォードトラックを個人旅行で歩くために役立つ情報を網羅しています。

 

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