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ジョンミューアトレイルのパーミット取得方法

JMTスルーハイクにあたっての不可欠にして最大の難関は、パーミット(許可証)の取得でしょう。

アメリカのウィルダネスエリアの多くでは、混雑を避け自然環境を保護するために、トレイルを歩く人数やキャンプをする人数がパーミット制により厳格にコントロールされています。

ウィルダネスパーミットは通常先着順で交付されますが、JMTのパーミットに関しては特にその希望者の多さから実質的には完全な事前抽選制になっています。

3週間にわたってトレッキングを続ける体力や技術、長期休暇の取得など、他の要素はすべて自分で何とかしようと思えばできるものですが、パーミットの抽選は完全に他力本願であり自分の力では何ともできません。

しかしながら、申込期限や申込方法を理解して適切に抽選に参加することがまずは当選への第一歩です。
申込書の記入方法など、私たちが応募した際に悩んだ点も踏まえて詳しく解説したいと思います。

応募先

入山口のある場所に申し込みます。JMTのスルーハイクでは以下が申込先になります。

以下では、一般的なおすすめルートであり、私たちも実際に歩いたサウスバウンド(ヨセミテ出発)についてのパーミット取得方法について説明していきたいと思います。

サウスバウンドがおすすめな理由はこちらの記事をごらんください。

JMTの人気が高まり、年々多くの人がヨセミテ発のパーミットに応募することになった結果、周辺の自然環境がかなり悪化してしまったことに加え、ヨセミテ内の他のトレイルでバックパッキングトリップを楽しみたい人たちのパーミットの競争率までが高くなってしまう結果となりました。

このような状況を緩和するために、”Donohue Pass exit quota” という仕組みが2015年から導入されています。
これは、ヨセミテ国立公園からドノヒューパスを通って公園外に出る人数(つまりはヨセミテ出発でJMTを南に向かって歩く人数)を、1日45人に制限するというものです。

この仕組みが導入されたことにより、ヨセミテ出発のJMTパーミットの当選率は3%程度と非常に狭き門となりました。

私たちが訪れたときのドノヒューパスの様子です。
山火事の影響で空はかすみ、トレイルには雪が残っていました。

応募方法

申込書に必要事項を記入してFAXすることで行います。
オンラインシステムやメール、電話での申し込みは一切受け付けていません。

国際FAXはコンビニに行けば簡単に送ることができます。
私たちはファミリーマートから送りましたが、複合機に示される手順に従って電話番号などを入力するだけで全く問題なく送ることができました。

★2020年1月更新★
今シーズン、遂にオンラインでのパーミット申請ができるようになったようです!
(Sさん、情報ありがとうございました。)

これに伴い従来のFAXでの申請方法は無くなりました。

オンライン申請はこちらのリンクより行うことができます。
求められる記載内容は従来と概ね同じですので、下記のFAXの場合での記載内容を引き続きご参考ください。

応募期限

JMTのパーミットは、出発希望日の168日(24週間)前に抽選が行われます。

FAXの受付は抽選日の2日前から開始されるので、出発希望日の169日前か170日前のどちらかにFAXを送れば良いことになります。

★2020年1月更新★
オンライン申請は、抽選日の2日前(出発希望日の170日前)までに行う必要があります。

168日前と言われてもそれだけではすぐに具体的な日付はわかりませんので、ヨセミテ国立公園のWebサイトに出発日と抽選日の関係が一目でわかる対応表が用意されています。

なお、ヨセミテ国立公園のタイムゾーンは Pacific Time ですので、日本の日時からマイナス17時間(サマータイムでは16時間)すれば現地日時になります。

夏のハイシーズンは、この168日前の抽選を逃すとパーミット取得はほぼ不可能になりますので、十分前から用意しておく必要があります。

私たちは7月17日を出発希望日の初日にしましたので、日本時間の1月28日にFAXを送信しました。

申込書の記載内容

JMTパーミットの申込書は、ヨセミテ国立公園のWebサイトのこちらにPDFデータがあります。
必要事項を記入してプリントアウトし、記載されているヨセミテ国立公園の番号にFAXします。

★2020年1月更新★
上記の通り、JMTパーミットはオンラインでの申請に変更されています。
申請はこちらのリンクからどうぞ。

以下では、主な記載事項について説明します。

トレイルヘッド(登山口)

JMTをヨセミテから出発する場合の正式なトレイルヘッドはハッピーアイルですが、以下の5つの選択肢が用意されています。
各トレイルヘッドの希望順位をプルダウンから選択します。全く選ばないトレイルヘッドがあっても構いません。

各トレイルヘッドの説明は以下の通りです。

  • Happy Isles->Sunrise/Merced Lake (pass through)

ハッピーアイルを出発して、1日目のキャンプ地はリトルヨセミテバレーより先。
リトルヨセミテバレーでキャンプすることはできない。(初日の歩行距離は最低6マイル程度)

  • Happy Isles->Little Yosemite Valley

ハッピーアイルを出発して、1日目のキャンプ地はリトルヨセミテバレー。
1泊目は必ず、リトルヨセミテバレーでキャンプする必要がある。(初日の歩行距離は4.5マイル)

  • Glacier Point->Little Yosemite Valley

グレーシアポイントから出発し、1泊目は必ずリトルヨセミテバレーでキャンプ。

  • Sunrise Lakes

サンライズから出発する。1泊目のキャンプ地は特に定められていない。

  • Lyell Canyon

ライエルキャニオン(トゥオルミーメドウ)から出発する。
1泊目のキャンプ地は特に定められていない。
この出発地を選んだ場合のみ、ハーフドームのパーミットには応募できない。

 

なお、各トレイルヘッドの場所詳細はヨセミテ国立公園のサイトのこちらの地図を参考にしてください。

1泊目のキャンプ予定地

希望したトレイルヘッドと整合するキャンプ地を記載します。

例えば、以下のようになります。

  • Happy Isles->Sunrise/Merced Lake (pass through)の場合だと、Clouds Rest Junction
  • Happy Isles->Little Yosemite Valleyの場合だと、Little Yosemite Valley

1泊目がリトルヨセミテバレーで固定されている場合を除き、トレイルヘッドおよび初日のルートと整合さえしていれば好きな場所を書いて構いません。

ガイドブックや地図などを参考に、キャンプ予定地付近の地名を書きましょう。

イグジットトレイルヘッド(下山口)

スルーハイクを希望する場合なら、一般的には Whitney Portal(ホイットニーポータル)になるでしょう。

自らの行程に合わせて好きな場所を選べます。
よく利用されるトレイルヘッドはプルダウンで選べるようになっています。

なお、パーミットの抽選は出発登山口と出発日付に基づき行われるので、下山口をどこにするかによって当選可能性が左右されることは一切ありません。
もし希望するなら、パーミットを受け取るときに下山口を変更することもできます。

パーティーの人数と希望日数

何人で何日間トレイルにいる予定かを記入します。
人数については、何人までなら減らしてもいいかを合わせて指定できます。
人数を減らすことが許容できなければ、記載する必要はありません。

なお、希望日数については下山口と同様に抽選結果に影響を及ぼすことはなく、後からの変更もできます。
私たちも、パーミットを受け取るときに少しだけ日数を伸ばしてもらいました。

ハーフドームのパーミット

JMTのパーミットを申し込む際に、あわせてハーフドームのパーミットに申し込むこともできます。

ハーフドームに登る場合はたとえ日帰りの場合でもパーミットが必要になりますが、バックパッカー用のパーミットは日帰りとは別枠で確保されています。

ハーフドームパーミットの希望の有無、希望する場合はその人数を記載します。
また、ハーフドームパーミットが当たらなかった場合にJMTパーミット自体もあきらめるかどうかについても選択します。

出発希望期間の設定

応募の際には、最大3週間にわたって出発希望期間を設定することができます。

希望日の初日の抽選に外れれば次の日の抽選に、外れたらまた翌日の抽選に、といったようにあらかじめ希望した期間は当選するまで毎日自動的に抽選に参加できる仕組みです。

3週間が過ぎても当選しなかった場合は、再度申込書をFAXオンラインで申請する必要があります。

私たちは出発希望日の初日を7月17日として、そこから3週間の期間で応募しました。

実際に当選したのは7月27日にハッピーアイルを出発するパーミットでしたので、10日間抽選に外れ続けたことになります。

費用

パーミット1件あたりの応募手数料$5と、1人当たりの予約金$5の合計額です。
仮に2人で申し込んだ場合、$5+($5×2人)の$15が必要になります。

これらの費用は抽選に当たった場合のみ必要になります。外れた場合は一切費用はかかりません。なお、一度当選すると、キャンセルしても費用は返金されません。

なお、ハーフドームのパーミットを希望して当選した場合は、ヨセミテでパーミットを受け取るときに1人$8の追加料金の支払いが必要です。

★2020年1月更新★
オンライン申請に変更された現在、支払いも当選メールに記されたリンクからオンラインで行うようです。

通知

申込書をFAXして、受付が完了すれば下記のような通知がメールで送られてきました。
内容が正しく登録されているか確認しておきましょう。

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その後抽選が始まると、毎日結果がEメールで通知されます。
ほとんどの場合は落選の通知で、タイトルは「Denied: Yosemite Wilderness Lottery」でしょう笑。
私たちも10日間、毎日このタイトルのメールを受け取り続けました。

なお、当選した時はこのようなメールが来ました。

★2020年1月更新★
オンライン申請に変更されてからは、当選するとパーミット代金の支払に関する詳細も同時にメールされるとのことです。
14日以内に支払いを行わないとキャンセルされてしまうようなので注意してください。

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